腸チフスは、サルモネラ菌（Salmonella typhi）の感染によって引き起こされ、通常、細菌に汚染された食べ物や飲み物から発見されます。
腸チフスは免疫系が成人と比較して最適でないため小児が発症することが多いのですが、大人でも発症する可能性はあります。また腸チフスは糞口経路で感染します。腸チフスの罹患率は世界全体で年間900万件に達し、その多くは低所得国、熱帯地域、清潔な水へのアクセスが困難な地域、人口密度の高い居住地、衛生状態の悪い地域で発生しております。

腸チフスのリスクを高める可能性のあるものはいくつか挙げられます。

腸チフスの原因菌であるサルモネラ菌の潜伏期間は約2週間です。その後、腸チフスの症状が現れます。また、腸チフスとデング熱は症状が似ているため、見分けがつかないことがあります。そのため、デング熱と区別するためには、腸チフスの症状をさらに知っておく必要があります。腸チフスの症状には以下のようなものがある。

3週目には、高熱と微熱が交互に現れ、腸出血や腸穿孔（腸壁に穴が開く）が起こることもある。その後、4週目には熱は下がります。重症の場合は合併症を起こし、死に至ることもある。

腸チフスと診断された場合、医師は治療の前にまず診察を行います。腸チフスであることが確認されると、治療のステップとして抗生物質が処方されます。この腸チフスの治療は、重症度に応じて外来または入院で行われます。

さらに、医師は腸チフス患者に対して、清潔を保つように助言し、良い食事を勧めます。また、生ものを食べない、激しい運動をしない、水を飲み過ぎないなど、腸チフス患者に対するいくつかの禁止事項を説明します。

腸チフスにはワクチンが存在しますが、100％確実な予防法ではなく効果期間は接種から2～3年、予防率は50～70％と言われております。そのため最も重要な予防法は、清潔な水の利用や適切な衛生環境、食品取扱者の衛生管理です。一方で腸チフスの流行地域を訪れる人は皆、腸チフスに感染する危険性がありますので腸チフスの可能性が高い地域に行く人は、腸チフスの予防接種を受けることが強く推奨されています。さらに、旅行中の安全な滞在のために、以下のことをお勧めします。

米国疾病予防管理センター（CDC）は、腸チフスがよく発生する地域を訪れる人など、感染のリスクが高い人にのみワクチン接種を勧めています。また世界保健機関（WHO）は、病気の蔓延を抑える手段としてワクチン接種を支持しています。インドネシアを含む東南アジアでは、衛生状態の悪い国が多く病気が蔓延していますので、インドネシアに住む全ての人に腸チフスのワクチン接種が推奨されます。

腸チフスはサルモネラ菌によって引き起こされ、いくつかの方法で診断されます。主に推奨されるのは血液培養ですが、その方法や検査時期により、症例の半分まで見逃すことがあります。TUBEXやTyphidotのような迅速検査は、より迅速ですが信頼性は低く、精度は約78％です。ウィダル検査は抗体を調べるが、常に検査結果が正しいとは限りません。血液検査では、白血球の減少、リンパ球の増加、その他の徴候を示すことがあります。便検査は発病後ほど有効で、保菌者を見つけることができます。各検査には長所と短所があるので、医師は可能な限り最良の診断を得るために、しばしば混合検査を行います。